個人の大工さんに家の修理を頼んで大丈夫?本当は教えたくない良い大工さんを見分けるコツ

リフォーム会社を通さずに個人の大工さんに直接頼んだ方が、お家の修繕費用を抑えることが出来るって聞いたけど、、

「変な大工さんに依頼してトラブルになりたくない!」
「個人の大工さんの探し方が分からない」

こんなお悩みありませんか?

今回はそんな方向けに、近くにいる個人の大工さんを探す方法と、良い大工さんかどうか見分ける方法を徹底解説していきます!

この記事を読んで出来るようになること
  • 個人の大工さんを自分で探せるようになる
  • 良い大工さんかどうか見分けることが出来るようになる

ぜひ最後まで読まれてください!

目次

今、個人の大工さんの需要は高まっている

近年、個人の大工さんへの依頼が急増しています。ありがたいことに当社も毎日新しいご依頼を頂いております。背景にあるのは住宅の高齢化と将来への不安です。

築20年以上の住宅が6割以上に

総務省の令和5年度住宅統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計結果を見ると築20年を超える住宅は6割を超えています(築70年以上の住宅は入っていないので実際はもっと多い)。一般的に住宅は20年を超えると様々な箇所に不具合が出てくるため修繕をしていく必要があります。

大規模なリフォームよりも、少し直してほしいという需要

十数年前から「古いお家を大規模にリノベーションして新築みたいに」という流行りがありましたが、最近は下火になってきています。これは主に経済的な理由が大きいと思います。

・物価高により、リフォーム価格も10年前から3割以上高くなっている
・インフレによる将来不安から、出来るだけコストを抑えたい

こういった理由から、リフォーム市場全体の「出来るだけ低単価で済ませたい」化が進んでいます。

個人の大工さんに注目が

「出来るだけ低単価に」となったとき、それはつまり「部分的な修繕・リフォームをしたい」ということです。先に述べた通り築古のお家が増えている中で、やはりどうしても修繕しないと暮らしにくい箇所は出てきます。その気になる箇所だけでも修理してほしいという需要が個人の大工さんに向かっています

個人の大工さんはお家の御用聞きだった

そもそも個人の大工さんは町に必ず一人はいて、周辺のお家の御用聞きとしてお家の悪くなってきた箇所を修理していたという歴史があります。なぜそういった大工さんがいなくなってきたのか、それはひとえに「大手ハウスメーカーや大手リフォーム会社が強くなりすぎた」からだと言えます。

今も個人の大工さんは自宅の近くにいらっしゃいます。しかしその大工さんは基本的には大手ハウスメーカーやリフォーム会社の下請けとして働かれています。大工さんとしても下請けとはいえ、大きな額が一度に入ってくるためメリットも多く、個人のお宅の御用聞きという昔ながらの大工さんは減っていったと考えられます。

最近は「便利屋さん」という形で御用聞きが増えている

御用聞きとしての個人の大工さんのポジションを最近では「便利屋さん」が担っているケースが増えています。カーテンレールの取り付けや、電球の交換など小さいけど自分では出来ないという御用聞き仕事をされています。

ただ、手すりの取り付けや、ドアの交換、床材の張り替えなど住宅の専門知識がないと危険な作業に関しては受けていない場合が多く、やはり大工さんに頼みたい需要はあると考えられます。

個人の大工さんへの需要は高まっている

まとめると

・住宅の高齢化による住宅修繕需要の高まり
・物価高による家計防衛意識の高まり
・部分的な住宅修繕需要の高まり

以上の背景から個人の大工さんにお家のちょっとした修理を依頼したい需要が高まっていると言えます。

個人の大工さんに出会うにはどうすればいいの?

ではどうすれば個人の大工さんに出会うことが出来るのか、ここから具体的な手法について解説していきます。

前提として大工さんを探すのは難しい

こんなことを冒頭から申し上げてしまい恐縮なのですが、大工さんを探すのは簡単ではありません。それは先に述べたように今は大工さんは大手ハウスメーカーやリフォーム会社の下請けとして働いている方が多いということが理由です。

最近の大工さんは下請け会社の実働部隊という位置づけ

下請けとして働くということは業者間取引の中にいることになります。業者間取引(BtoB取引とも言われる)だとウェブ上にホームページを作るとかSNSで投稿するなどしなくても、業者間の口コミや紹介などで仕事が取れたりします。だから個人の大工さんが自身でホームページを作ったり、SNS投稿を頻繁にしてるなどかなり稀なケースとなります

そうなると逆に今の時代探しにくい、、というのは想像できると思います
今回お伝えする個人の大工さんを探す具体的な手法は

・ウェブで探す
・リアルで探す

の2パターンご紹介します。ウェブとリアルを駆使することで大工さんにたどり着くことが出来ます。

ウェブで探す ①タウンページを使う

タウンページは大工さん探しでかなり使えるツールです!(登録不要且つ無料で使える)
ご自身の住まわれている住所(〇〇市くらい大きい範囲でOK)とキーワードに「大工職」と入れて検索をします。
すると近くで大工業をしている人の一覧が出てきます。

会社名ではなく、個人名で載っているのを見つけたらそれは「個人の大工さん」で間違いないです
タウンページは必ず電話番号が載っているので、電話してみましょう。
注意点としては昨今の高齢化で大工さんも高齢により廃業しているケースがあります。電話しても「もう辞めました」と言われることもしばしばあります。

ウェブで探す ②グーグルマップで探す

Googleマップでの検索も有用です。大工さんは個人名だけでやっているか、もしくは「〇〇工務店」という屋号で営業されています。そのため「工務店」で検索すると、個人の大工さんにヒットすることがあります。

一方、大手ハウスメーカーの一条工務店のように従業員が多いハウスメーカーも同じく「工務店」という屋号で営業しているため注意が必要です。見分け方としてはGoogleマップのストリートビューで見た感じ個人宅だったら「個人の大工さん」と判断して良いです。電話番号などの連絡先があったらコンタクトを取ってみましょう!

↑こんな感じの個人宅だったら「個人の大工さん」の可能性が高い!

リアルで探す ①材木店に聞いてみる

大工さんは材木店やホームセンターで材料を仕入れています。ホームセンターは一般の方も使うので店員さんも買っていく人が大工さんかどうか分かっていませんが、材木店は買っていく人が大工さんかどうか分かっています。

また大工さんとは掛け商売(月末締め翌末払いなどの信用取引)なので、大工さんの信用情報を分かっているケースもあります。しっかりした大工さんかどうか把握しています

材木店は屋号に「材木店」や「〇〇木材」などの名称がついているので比較的すぐにわかります。実際に伺ってみて「こういう木材を使って造作家具を作ってほしいんですけど、いい大工さん知りません?」と聞いたら教えてくれることが多いです。

ポイントとしては「あなたのところで木材買いますよ!」ニュアンスをしっかり出すこと。仮に造作家具を作る予定がなかったとしても造作家具を作るていで聞きましょう!

少し後ろめたい気持ちはあると思いますが、後々繋がった大工さんはその材木店で木材を仕入れています。結果としてそこの材木店で木材を仕入れることは出てくると思います。最初は「大工さんを探す」という目的を達成することを目指しましょう

ちなみに材木店は一般のお客様でも基本的に木材を販売してくれます。「業者だけが行ける場所」という所ではないので安心していかれてみてください。

リアルで探す ②ご近所の口コミ

ご近所でお家の増築工事をしていたり、ウッドデッキ工事をしていたり、ドアやサッシの修理をしていたりするとそこには大工さんが来ている可能性が高いです。工事後に「工事してたみたいだけど、大工さんどうだった?良かった?」と聞いてみてください。ここでネットには出てこないリアルな声を聞けるはずです

大工さんと直接連絡先を交換していればいいのですが、大工さんのような職人さんは名刺を持たないケースが多く連絡先を知らずに工事が終わっているということは多々あります。

元請けの会社(だいたいはリフォーム会社)とは繋がっているはずなので、ある程度お金のことは割り切ってその元請け会社さんに連絡をして大工さんを指定して工事してもらうのが良いです。

個人の大工さんの探し方まとめ

ウェブではタウンページとグーグルマップを使う。リアルでは材木店と口コミから探す。以上4手法を試せば必ず個人の大工さんにたどり着くことが出来ます。

大工さんの見極め方法

先に述べた方法で個人の大工さんを特定することは出来ても、こんな疑問が出てくると思います。
「この大工さんは自分のしてもらいたい大工工事が出来る人=良い大工さん」なのか?

たとえリアルの口コミで「良い人だったよ!」と言われても、必ずしも自分のやってほしいことが出来る人なのかはわかりません。ここからは良い大工さんなのか判断していく方法をお伝えします。

質問&提案をしてくる大工さんかどうか

「質問&提案をしてくる大工さんなのかどうか」良い大工さんを見分けるポイントは全てここに集約されます!もう少し具体的に実際にあった大工さんとの会話を見ていきたいと思います。

ケース① 小屋を作ってほしいというご依頼

依頼者さん

家に繋がる小屋を作ってほしいんですけど、、

大工さん

もちろん大丈夫ですよ!何を入れられるんですか?

依頼者さん

洗濯機を置くのと物干しスペースとして使いたいんです

大工さん

なるほど。では湿気が溜まりやすい場所になりそうですね。湿気対策に良い施工法と部材をご提案しますね。もちろんご予算に合わせた提案を致しますのでご安心ください。

これは実際当社で行った増築工事の最初のやり取りを抜粋したものになります。大工さんと同席をしていて大工さんの質問力と提案力にさすがだなと思いました。用途に合わせた施工法を提案しようという大工さんの姿勢が感じられると思います。もちろん、最終的には予算との兼ね合いとなりますが、依頼者さんの快適な生活を実現する手助けをしようというのが質問と提案にこもっています。

ケース② 引き戸のがたつきを直してほしいとご依頼

依頼者さん

玄関の引き戸のがたつきを修理してほしいです

大工さん

もちろん大丈夫ですよ!前にどこかで修理されましたか?あとその引き戸は既製のメーカー品か大工さんが作った造作品かはおわかりですか?

依頼者さん

修理はしてもらっていないです。建てたときのままで、トーヨーサッシと書いてます。

大工さん

ありがとうございます。問題なく修理できると思います。すぐに伺うことも出来ますが、お時間ご都合いかがでしょうか?

玄関引き戸の修理を依頼されるケースは「今までもガタついていたけど、ピクリとも動かなくなった!」という時点がほとんどです。つまり玄関を閉められないor開けられないで困っているときなので、電話である程度の予測を立て現場に急行する姿勢が質問と提案の中に入っています

ケース③ すのこを作ってほしいとご依頼

依頼者さん

あのー。すのこを作ってほしいんですけど

大工さん

もちろん大丈夫ですよ!何か上におかれるんですか?

依頼者さん

洗濯機を置きたいんです。今あるやつが古くなって

大工さん

なるほど。それではホースなどが上手く入るように現場で合わせながら作りましょう

すのこを作ってほしいなども実は問い合わせがあります。こういうものは既製品が合わず現場に合わせて作ってほしいという需要があります。用途を伺い現場で作るように動きます。

全ては依頼者さんの快適な生活のため

大工さんは今までの経験からだいたいどんな問題が依頼者さんのところで起きているか想像が出来ます。出来るだけ迅速に解決するためには質問は必要不可欠です。逆に質問してこないで、言われたことだけをするような大工さんは信頼できないといっても良いです

電話や現地訪問の際に「沢山聞いてくれて、親身になって提案してくれる」これを判断軸にすると大工さん選びに失敗は無くなるはずです

個人の大工さんに直接依頼するメリット

個人の大工さんに直接家の修理を依頼する一番のメリットは「大工さんが依頼者さんに直接質問&提案ができる」というところにあります。詳しく解説します。

下請けで受けた仕事は大工仕事の自由度が低い

大工さんは最近では下請け会社の実働部隊という話は先に述べました。上の図を見ると大工さんと依頼主の距離が遠いことがわかります。この場合だと大工さんに仕事が降りてくる時点でだいたい話はまとまっていて、予算も決まっているケースがほとんどです

現場で大工さんが「こうしたほうが良いけどな」と思ったとしても家主である依頼者さんに伝えるのは越権行為でタブーとなってしまいます。下請け、元請けを通して依頼主に確認というルートとなってしまいます。

個人の大工さんに直接依頼で大工さんも提案できる

直接大工さんと繋がるのであれば、大工さんの自由度も高く良い提案をその場でもらうことが出来ます。中間マージンもカットされるため価格もお安くなる傾向にあります。

なぜ下請け構造があるの?

「そんなにメリットのある話なら、なんで元請けとか下請けがいまだにあるの?」そう思われた方も多いと思います。これは建設業が多くの職人さんたちの合わせ技で成り立っているという背景が関係してきます。

例えば増築の小屋(3~4帖)を建てるといっても関わってくる職人は

・左官屋(土台を作る)
・大工(木をくみ上げる+一部内装)
・板金屋(外壁や屋根をつける)
・水道屋(水道を通す場合)
・電気屋(電気配線をつける)

・内装屋(大工が兼ねる場合もある)

と最低でもこのくらいの職人さんが必要となります。一人で全てをすることは難しく(そんなスーパーマンは正直いない)これら職人を束ねるために元請け、下請け構造が必要となります。要は元請けは監督業をしているのです

ちょっとした大工工事なら個人の大工に頼める

大掛かりな工事であれば元請け、下請け構造は必須です。「だれがこの現場の責任者なの?」と全職人が迷います。一方大工一人で完結できる作業であれば、当然ですが元請け、下請け構造は必要ないです。そして大工さんも自由度があがり、良い提案をもらえる可能性も高まります。

個人の大工さんに頼む金額の目安

金額で言うと数千円~30万円くらいの金額であれば個人の大工さんに頼んだ方がコスパが良く、工期も短くなる傾向にあります。ほとんどの家の修繕はこの金額の中におさまるので、個人の大工さんに頼むメリットは大きいです。

大工さんが修理できる箇所

個人の大工さんに頼むのが良いということが分かっても大工業とまったく別のことを頼んでも「それは出来ません」と断られてしまいます。大工業が主にどんなことをやっているのか、事前に知っておきましょう。

大工=木のプロフェッショナル

大工さんは木のプロフェッショナルと考えていいです。なので、木が関わることは基本大工が関わっています。日本の建築はほとんどが木造です。マンションも外側は鉄筋コンクリートだとしても中身はほとんど木です(中の柱、床や建具は木ですよね)。具体的には

・建具(ドアやサッシ)まわりの修理
・床周りの修理
・オーダーメイドの造作家具制作や修理
・ウッドデッキや倉庫など屋外の木造物の修理
・増築や間取り変更など

この辺りは大工さんが本業としているエリアです。

雨樋や屋根は別の専門業者がいます

よくあるのが「雨どい修理」や「屋根修理」を大工さんに頼むという方がいらっしゃいますが、厳密に言うと大工さんの担当範囲外です。手先の器用な大工さんは割と何でも出来ちゃいますが、一応専門業者があるので、雨どいや屋根関連でお困りの方は以下記事を見られてみてください。

大工仕事の事例と実際の価格

大工さんにどんな修理を頼めるのか、以下実際の当社の事例と共に金額感をお伝えします。

事例1:手すり取り付け 室内

2階部分の一か所に縦に配置した手すりをつけたいとご要望頂き、現地調査後手すりの手配と取付を致しました。

料金:23,000円(税込)

事例2:手すり取り付け 屋外

玄関まで続く階段に手すりが無く、危ないとのことで手すり取り付け工事を行いました。コンクリートに埋め込みが必要な少し大掛かりな工事となりました。

料金:110,000円(税込)

事例3:お家のデッドスペースに作業机&収納スペース造作

自宅にテレワーク用のスペースが欲しく、窪んだ場所にピッタリの造作家具の制作を依頼頂きました。ただ机をつくるだけではもったいないので稼働棚も付けることで、将来性もある造作家具となりました。

料金:66,000円(税込)

事例4:カーテンレール取付け

リビングと寝室の古くなったカーテンレールの交換を行いました。古いカーテンレールはこちらで持ち帰り廃棄処分しております。

料金:33,000円(税込)

事例5:床の張り替え

玄関部分の床材を新しいフローリングにしました(上張り工法)。床がたわんでいるところなどは補強し軋みなどもなくなりました。

料金:55,000円(税込)

事例6:門の戸車 修理

数寄屋門の引き戸の戸車が壊れているとのことで修理に伺いました。扉下部が腐っていたため外からは分からないように、中に樹脂と受木を新設し、高さを調節した上で戸車を付けなおしてます。

料金:44,000円(税込)

腕の良い個人の大工さんを探している方、お問合せください

日々のお困り解決隊 リペルンでは、大工さん・職人さんとの出会いをお手伝いしております

個人の大工さんの探し方は本記事の中で説明しておりますが、やはり探すのに時間がかかるのがネックです。その点当店では全国の腕の良い、且つしっかりと提案できるコミュニケーション能力の高い大工さんと提携しております。

お客様のご要望をお伺いし最適な大工さんや職人さんを直接おつなぎしております。見積もりは無料。365日年中無休、最短即日対応で、お客様のご都合に合わせ、かけつけます。お気軽に電話・メールにてお問い合わせください。

サービスの詳細は以下をご覧ください。

大工さん直接依頼

まとめ:家の修理を個人の大工さんに頼みたいときはどうするか

まとめると、30万円以内のお家の修理案件であれば個人の大工さんに頼んだ方が、提案も現場でしてもらえるし結果としてコスパよく修理してもらえる可能性が高くなります。探し方はウェブとリアルで4通りあるので、まずは一つ試しにやってみてください。もしそれでも出会えない場合は当社にお問合せください。必ず良い業者さんをご紹介出来ます。

どんな業者さんとの付き合いもそうですが、良いと思った人は連絡先をしっかり交換して継続的にお願いを出来るようにしておくことが良いです。同じ人に頼めるようになると、それこそかかりつけ医のようにコミュニケーションが円滑になります。

この記事を読んでいただいた皆様が良い業者さんと出会えることを心から願っています。それでは長い文章を読んでいただき本当にありがとうございました!

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この記事を書いた人

元建材商社で営業・仕入れを経験し、その後LIFULL社で住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」の運営に携わってきました。業界の幅広い知識とデータ分析を活かし、暮らしに関わる情報をわかりやすくまとめて発信してます。住まいに関する疑問やお悩みを解決し、より良い暮らしをサポートすることを目指しています。

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